全国を飛び回る「プロフェッショナルコネクター」という職業とは?
-- Facebookを拝見していると、最近、地方を飛び回られて、お忙しそうですね。
勝屋:そうなんです。先月は岡山の倉敷、青森と弘前、それから沖縄、福岡、大垣へ行って...。
-- すごいですね(笑)勝屋さんの普段の活動について、教えていただけますか?
勝屋:名刺には「プロフェッショナルコネクター」と書いてあるんですけど、ぼくは人脈とかあんまり興味がなくって、"つながり"によってみなさんがもっと元気になるようなお手伝いをしたいなと、純粋に思っていて。でも世の中にそんな職業はない。そこで、新しい切り口の職業を自分で作っちゃおう!ということで、「プロフェッショナルコネクター」という肩書きにしてみました。
勝屋:プロフェッショナルコネクターの仕事としては、大きく分けて「つたえる」「つくる」「つなぐ」という3つの切り口があります。
「つたえる」というのは、人のつながりの大切さを世に伝える活動で、講演とか講義がこれに当たります。最近リニューアルしたブログ(「勝屋久の日々是々」)もここに入りますね。
このブログは、読むと元気になったりつながったりする"パワースポット"を紹介するもので。神社仏閣だけでなく、食べ物や温泉、アートなんかもそうだし、おもしろい人がいる場所も入りますね。ぼくの心が動いた人やモノにフォーカスして、完全に自分の好みで、自分視点で綴っています。あとは絵を描くのが好きなので、会社が元気になるようなビジョンを描かせていただいたり、今日も着ているパーカーのデザインをして販売したりもしています。
「つくる」というのは、企業の顧問のような形で、事業を作ったり、人を育てたりする仕事です。「コネクター応援団契約」って名前にしちゃってますけど(笑)今はつながりがフォーカスされているプロジェクトが結構多いので、県庁の仕事も一緒にやらせてもらうこともありますね。それから、個人向けには「勝屋サロン」というカウンセリングや互いにハッピーになれるような人を紹介するサービスもしています。
最後の「つなぐ」に関しては、まったくお金は生み出さないどころか、むしろマイナスになる活動です。自由に動くんですよ。呼ばれたら行っちゃう。でも、打算がないし、目的がないから、すごく良いつながりが生まれるんですね。これがないとぼくの価値はないというくらい、ぼくにとってこの活動は大事なんです。
今はつながりがフォーカスされているプロジェクトが結構多いので、国や県がらみの仕事もさせていただくこともありますね。それから、個人向けには「勝屋サロン」という特別なツアーやイベントを行う会員制サービスもしています。
あったらいいものではなく、"ないと困る"Eight
-- プロフェッショナルコネクターとして人と会うときに、名刺交換はされていますか?
勝屋:もちろん。必ず名刺交換はします。必需品ですね。一番手っ取り早いし、向こうも必ず持っているし、これ以外ってあんまり考えられない。名刺が切れたときにFacebookでつながりましょうってこともたまにあるけど、名刺にはいろんな情報が詰まっていますからね。
-- 年間どれくらいの枚数の名刺を使われますか?
勝屋:2000枚くらいですね。
-- なるほど、それは多い!ちなみにEightを使われる前はどのように名刺管理をされていましたか?
勝屋:うーん...どんどん膨れ上がって管理できない状態でしたね。名刺ソフトを入れたこともあったんだけど、自分で手入力して修正しないといけないから、えらい大変でやめちゃった。
-- Eightはどんなシーンで使っていますか?
勝屋:ぼくは基本的にメールよりも電話なんですよ。なので、事務所にいる時はPCでEightを立ち上げて、電話番号を探して電話する。他には、、、人の所属ってあんまり気にしないから忘れちゃうので、改めて確認しないといけないときに見るかな。それと、誰かに郵便物を送るときに住所を見たりもしますね。
-- 外出先では?
勝屋:外にいる時はAndroidのアプリを使いますよ。使いやすいです、非常に。使い方は基本的にPCと一緒で、電話が中心だね。あ、でも電話した後で確認メールを送る時には、メールアドレスを調べることもある。あってもなくてもいいってもんじゃない。ないと困ります(笑)
自分も周りもワクワクするつながりを生み出すには?
-- どのようにして勝屋さんは、人と人のつながりを生み出すノウハウを培って来られたんですか?
勝屋:ぼくはIBMで会社員を25年やっていたんですけど、その中で転機がいくつかあったんですね。ひとつは37歳のときのプロジェクト。ベンチャーと一緒に協業するというような仕事に就いたんです。そのときにベンチャーの人と出会って、まず目の輝きの違いに驚かされました。組織と組織のつながりではなく、打算のない素敵なつながりで生まれている世界を見てしまったんですね。そうしてIBMとベンチャーをつなぐ仕事をしているうちにワクワクしてきて、ぼくがワクワクするつなぎ方って何かなと考えるようになったのが原点です。
2000年にIBM Venture Capital Group パートナー日本代表になったんですけど、このあとにいろんなお仕事をいただくようになったのは、外のつながりでした。IBMではすごく異例なんだけど、ぼくは兼業も認められていたので、いろんなことをやっていくうちに、お金のために働いていた歯車的な人間から、自分とは何かということを考え始めるようになって、独立することにしました。
-- 人と人をつなぐとは具体的にどういうことですか?
勝屋:ぼくの中の定義は非常にシンプルで、互いに喜んでエネルギーが上がる感じ。エネルギーの奪い合いや引っ張り合いじゃなくて、平和的で調和的な、ね。結果的にアライアンスやビジネスがいっぱい生まれているんだけど、ぼくにとってそこは主眼じゃないです。
-- マッチングは頭のなかでされるんですか?
勝屋:そうですね。大事な友達を紹介する感覚でつながりを生み出したいから。その人が持っている損得勘定の世界じゃなくて、心の部分が大事でしょう?大切な人を紹介してもらうと、紹介してくれた人ともすごく深い関係になるじゃないですか。
-- 機械的じゃないんですね。
勝屋:全然ない。インスピレーションやタイミングもあるし。だからオススメはできないな。でもこっちの方がロジカルにやるより、成功率が高いんですよ。
-- たくさんの人と会われるのに、みんな頭に入っているものですか?
勝屋:それはやっぱり印象的な人とそうじゃない人がいるけど、他の人より顔とエネルギーは覚えている方だと思うよ。そのかわり名前は全然覚えられないんだけど(笑)
プロフェッショナルコネクターが思い描くEightの未来
勝屋:ぼくはEightにすごく可能性を感じるところがひとつあるんです。今みんなの生き方が変わってきていて、会社にいる顔と会社以外の顔といったように、あるひとつの会社に留まっていないんだよね。永遠に続く安定みたいなものがなくなっていることを若い人たちは特に感じている。だからこそ、自分の足で立つというか、お金を稼ぐ以外のところでいろんな活動をやっているんですよ。恐れというより、楽しみながら。そういうほんとの生き方というか、自分が元気になるための活動を支えられるサービスに、Eightがなれるといいよね。
-- なるほど。
勝屋:ここは自分の捉え方なんだけど、人を豊かにする本当のつながりって、会社のような組織を通してしまうと、なかなか生まれにくいんですよ。ベンチャーは別かもしれないけど、多くの会社は打算的になっちゃうから。だからこそ、みんな会社以外の名刺を持って、新たな本当のつながりをどんどん生みだせるようになるといいですね。
-- そういう新しいライフスタイルを推し進められるサービスを目指していきたいと思います。ありがとうございました。